「国民にわかりやすい説明が必要」など意見多数/医療等分野の番号制度活用研究会

「国民にわかりやすい説明が必要」など意見多数/医療等分野の番号制度活用研究会

厚生労働省の「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」(座長:金子郁容・慶大教授)の第10回会合が11月18日、厚生労働省内で開催され、報告書案が提示された。

この研究会は、昨年5月に設置され、医療側と保険者側の情報担当者をメンバーとし、①医療等の分野の情報連携に用いる番号のあり方、②具体的な利用場面、③マイナンバー制度のインフラ活用の考え方―などについて、協議・検討を加えているもの。昨年は7回にわたり議論を行い、昨年12月には中間的とりまとめを作成、公表している。そして、本年6月1日に政府が発表した「日本再興戦略改訂2015」の指摘を受け、医療等分野の番号の具体的な制度設計の検討を行い、本年末までに一定の結論を得るとしていた。

報告書(案)は、「医療分野の個人情報の情報整理のあり方」「マイナンバー制度のインフラとの関係」「医療保険のオンライン資格確認の仕組み」「医療分野の情報連携に用いる識別子(ID)の体系」「医療等分野の識別子(ID)の普及に向けた取組」などに言及。これらについて議論されたが、関心が高かったのは医療等分野において、地域医療連携に用いる識別子(ID)の位置づけ、生成・発行の仕組み、視覚性(見える番号性)、医療保険の資格確認用番号(仮称)とレセプト情報の活用などについてであった。

一方、事務局からは具体的な利用場面として、①医療保険ライン資格確認、②保険者間の健診データの連携、③医療機関・介護事業者等の連携、④健康・医療の研究分野、⑤健康医療分野のポータルサービス、⑥全国がん登録―などを提示し、必要な説明を加えた。

しかし議論の最後に日本医師会の石川広己常任理事があくまでも「医療は別カード」と、あくまでも医療は別扱いを要請するシーンもあり、今後の審議は慎重に見守る必要性があることを示唆した。

なお、この研究会メンバーに歯科側からは、日本歯科医師会の小泉政幸常務理事が加わっている。