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映画紹介№25「刑務所の中」

映画紹介№25「刑務所の中」

【2002年日本制作 / 崔洋一 監督】

「銃砲刀剣類不法所持取締違反で懲役3年」
 映画は北海道、日高の刑務所を舞台に受刑者の機械的な生活を淡々と映し出します。受刑者の更生物語でも脱走物語でもありません。〝シャバ〟から見ると、どうでもいいような断片的な人間模様や刑務所ならではの風変わりな規則や暮らしを紹介します。
 映画は朝の配食準備に忙しい調理室から始まります。6時30分起床、バケツ、ほうきと雑巾で部屋、トイレの隅々まで掃除。
「303室点検!」
 看守に向かって直立不動で整列。大きな声で、
「イチッ、ニッ、サンッ、シッ!」
「5名異常なし」
 5人の受刑者は銃砲刀剣類不法所持、火薬類取締法違反、麻薬取締法違反、殺人罪、連続コンビニ強盗事件、学校荒らし強盗…の罪で服役している者たちです。
7時40分に朝の配食。
「米7分、麦3分のどんぶり飯」
「タマネギと切りふの味噌汁」
「マグロのフレーク」
「金時豆の煮豆」
 返事は常に「ハイッ!」と応え、部屋を出たら隊列を組み、
「イチッ、ニッ、サンッ、シッ!」と、腰に手を当て小走りで移動します。作業場は工場、看守は「先生」と呼ばれ、一段と高い所から受刑者に目を光らせています。
 少しでも違う行動を取る時には「願います!」と大声で手を挙げて看守の指示を仰がねばなりません。
「願います!」
「何だ?」
「用便 、願います」
「朝、済ませて来なかったのか?」
 ティシュ箱づくりの作業は午後4時30分で終わります。午後4時45分に夕方の点検があり、4時50分には夕配食があります。
「春雨スープ?」
「ほら牛だよ、牛だよ!」
 風変わりな規律はあるが暴力は一切なく、テレビも見られる、雑誌も読める。合宿所のような健康な生活です。
「コラッ!お前何やっているんだ!」
「そんなことをしてもいいと思っているのか!」
 雑誌のクロスワードに答を記入した些細なことでも、懲罰房(独房)に連行されてしまいます。
「医務」と呼ばれる健康診査は週2回。医務官が体調不良を申し出た者を一列に並ばせ、立ったまま、検温、診察を行います。
「薬指と小指の間にできものができました!」
 体温、患部を診て、即座に処置の診断を下します。
刑務所では、毎日の作業は定時に終わるし、免業日と呼ばれる土日の休みもあります。3度の食事は欠かすことなく出てきます。受刑者の楽しみは、四肢の不自由なお年寄りと同じように提供される食事。そのメニューに一喜一憂します。
「正月に羊かんが出るってほんとうかい?」
「出るよ」
「去年は甘酒とマグロの刺身が出た」
「大晦日の夕食はおせちだ」
 この映画には映画「ショウシャンクの空」のように脱走をもくろむ受刑者と暴力的な看守。緊張感や重い空気は全くありません。人間模様を違った視点から考えさせられる作品です。
 主人公演じる山崎努をはじめ、松重豊、香川照之、椎名桔平、大杉連など、豪華な役者ぞろいのコミカルな映画で、映画の好きな人は絶対に満足するでしょう。
 (協会理事/竹田正史)