資料集 歯科疑義解釈(2001年10月25日付・厚労省より地方社会保険事務局へ事務連絡)

資料集 歯科疑義解釈(2001年10月25日付・厚労省より地方社会保険事務局へ事務連絡)

厚生労働省より2001年度の「歯科疑義解釈」が発表されたので、ここで紹介する。 参考にしていただきたい。(各質問の表題は編集部記)

Hys病名などでのブラッシング指導

歯科衛生実地指導料の対象疾患に、例えば象牙質知覚過敏症の場合のブラッシング指導を加えることについてどのように考えているのか。

歯科衛生士が行う歯科衛生実地指導は、一口腔を単位として罹患頻度の極めて高い疾患を対象としたものであり、疾患を細かく規定することは慎重に検討をしていかなければならない問題である。

初再診料の障害者加算について

初再診時の障害者加算については、平成12年診療報酬改定において算定要件が示されたが、患者の状態が治療日によって変化する場合の算定についてはどのように考えればよいか。

基本診療料における障害者加算については、算定要件の明確化の観点から改定時の通知で具体的な患者の状態を示したところであり、治療日ごとに患者の状態が算定要件を満たすか否か判断していただきたい。なお、診療日ごとの加算算定の可否を判断できるよう、診療録への記載を必要としているところである。

パノラマ撮影のデジタル処理加算

パノラマ断層撮影のデジタル映像化処理に係る診療報酬上の評価について、基本的な考え方を教示されたい。

パノラマ断層撮影のデジタル映像化処理は、平成12年改定で保険導入されたものであり、撮影直後にフィルムでなく歯科診療室内のモニターで直ちに診断できることや、電子媒体に保存できる機能を評価したものである。

う蝕歯以外での修形・充形の算定

齲蝕歯以外の歯について、1日で当該歯の硬組織に対する処置と窩洞形成を完了した場合は、修復物の種類に応じて、齲蝕歯即時充填形成又は齲蝕歯インレー修復形成を算定して差し支えないか。

齲蝕歯には該当しない実質欠損に係る齲蝕歯即時充填形成又は齲蝕歯インレー修復形成の算定については、平成12年10月27目付の事務連絡においてその取扱いを示しているところであり、くさび状欠損に対する形成については算定が認められるものである。

残根上義歯におけるCRでの根面被覆処置

残根上義歯の製作にあたり、近年、機械的強さや耐摩耗性が向上していることから、コンポジットレジンによる根面被覆処置も診療報酬上の評価の対象とできるのではないか。

コンポジットレジンによる根面被覆処置の妥当性については、現在専門家の間で検討がなされている段階である。

補管期間中の抜歯後のブリッジ

補綴物維持管理中の歯冠補綴物を装着した歯を止むを得ず抜歯した場合、その抜歯した部位を含んで製作した新たなブリッジの製作に係る一連の費用は補綴物維持管理料に含まれるか。

貴見のとおり。

歯周外科後の部分的再評価

歯周組織の部分的再評価は、歯周外科手術を行った後、1口腔単位で必要に応じて手術部位に対して検査を行い、手術後の状態を評価するものであると考えて差し支えないか。

貴見のとおり。

矯正治療前の指導料の算定について

歯科矯正治療において、動的処置開始前に療養上必要な指導を行った場合は、歯科口腔衛生指導料又は歯科特定疾患療養指導料を算定することは可能か。

1口腔単位で対象となる歯科疾患が存在し、かつ療養上必要な指導を行った場合については、歯科口腔衛生指導料又は歯科特定疾患療養指導料を算定して差し支えない。

老人訪問口腔指導管理料の摘要欄記載

老人訪問口腔指導管理料を算定した場合の診療報酬明細書の摘要欄への記載事項は、訪問先、通院困難な理由、指導の実施時刻でよいか。

貴見のとおり。平成12年3月17目老健50号を参照されたい。