国民医療費全体に占める歯科医療費割合は6.8%に/厚生労働省が2014年度国民医療費の概要発表

国民医療費全体に占める歯科医療費割合は6.8%に/厚生労働省が2014年度国民医療費の概要発表

 厚生労働省は9月28日、「2014年度の国民医療費の概況」を公表した。それによると、14年度に国内で使われた医療費総額は40兆8071億円で、対前年度1.9%増となり、8年連続で過去最高を更新した。厚労省は、その増加要因について、①14年度診療報酬改定影響分が約0.1%、高齢化及び人口減少影響分が約1.0%、医療の高度化による影響分が約0.7%―などと分析している。また、国民1人当たりの平均額は32万1100円になっている。

国民医療費とは、公的医療保険の給付対象となる医療費の総額で、患者の自己負担や公費負担、保険給付の合計金額となっており、保険給付対象外の治療や健康診断、予防接種などの費用は含まれていない。

◆診療種類別医療費

次に、国民医療費を診療種類別で見ると、診療種類別にみると、医科診療医療費は29兆2506億円(対前年度比1.8%増/構成割合71.7%)で、歯科診療医療費は2兆7900億円(同1.9%増/6.8%)、薬局調剤医療費は7兆2846億円(同2.4%増/17.9%)となっている。

◆年齢階級別医療費

一方、年齢階級別にみると、0~14歳は2兆4829億円(構成割合6.1%)、15~44歳は5兆2244億円(同12.8%)、45~64歳は9兆1932億円(同22.5%)、65歳以上は23兆9066億円(同58.6%)となっている。人口1人当たり国民医療費をみると、65歳未満は17万9600円、65歳以上は72万4400円となっている。そのうち医科診療医療費では、65歳未満が12万3000円、65歳以上が53万5700円となっている。歯科診療医療費では、65歳未満が1万8300円、65歳以上が3万2500円となっている。薬局調剤医療費では、65歳未満が3万2600円、65歳以上が12万7700円となっている。

◆都道府県別1人当たり医療費の最高は高知県の42万1700円に

他方、3年ごとに発表されている都道府県別1人当たり国民医療費が最も高かったのは高知県の42万1700円で、以下、長崎県の39万6600円、鹿児島県の39万600円が続いている。最も高い高知県は、最も少ない埼玉県の27万8100円と比較すると、1.5倍になっており、医療費の高低はこれまでと同じく「西高東低」となっている。

なお、2015年度の医療費は速報値によると41兆5000億円となっている。