学校歯科治療調査懇談会を開催/現場の小中学校の養護教諭4氏が現場の切実な状況訴える

 

学校歯科治療調査懇談会を開催/現場の小中学校の養護教諭4氏が現場の切実な状況訴える

協会は昨年10月、「学校歯科治療調査」に取り組み、今年の3月に結果を公表している。この調査結果を踏まえ、現場の声を聞き、より内容を深めることを目的に、調査にご協力いただいた小学校・中学校の養護教諭4氏を招き、本日7月13日、協会会議室で「学校歯科治療調査懇談会」を開催した。

その中では、子どもや保護者の様子や歯科受診の実態、歯科検診や歯科保健指導の取組みなど、活発な意見交換が行われ、特に、軽症な子どもは比較的受診率が高いが、C4など重症な子どもほど受診率が低い傾向があるとの意見が出された。歯科受診を妨げる要因については、窓口負担が挙げられた。東京都では一部を除く多摩地区で、1回200円の窓口負担となっており、歯科受診の妨げになっているとの指摘があり、窓口負担がなくなれば受診率はあがるのではないかとの意見が出された。

さらに、高校生からは医療費助成がない地区がほとんどであり、窓口負担が3割となるため、中学3年生の冬頃から治療を完了させるよう呼びかけているなどの事例が紹介され、18歳までの医療費助成制度の創設に向けた活動について要望が出された。

また、多動やパニック障害を持つような、特別な支援が必要な子どもについては、一般の歯科診療所では受け入れてもらえない事が多く、受診できる医療機関を探すのが難しいとの悩みも出された。

小学校では、歯みがきの時間を設けるなど、学校での取組みが紹介されたが、中学校では設備の問題や、人前で歯みがきをするのが恥ずかしいなど思春期ならではの悩みもあり、取り組みが難しいとの意見も出された。

協会は、今回の懇談会でいただいたご意見、要望、現場からの切実な声などは、今後の要請活動などに活かし、子どもの口腔の健康を守る取り組みに繋げていく。

懇談会に参加した現場の養護教諭4氏からは、ネグレクトや貧困問題などをめぐり切実な訴えがあがった