歯科保健医療ビジョンで医政局としての「かかりつけ歯科医の機能」の具体的内容提示/歯科大入学定員削減などにも言及か

歯科保健医療ビジョンで医政局としての「かかりつけ歯科医の機能」の具体的内容提示/歯科大入学定員削減などにも言及か

厚生労働省は本日12月13日、同省内会議室で 第9回「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋/医療系大学共用試験実施機構副理事長)を開催した。

今回も前回会議時と同様に「歯科保健医療ビジョン(素案)」について審議・検討を加えたが、内容や表記について疑問点を指摘する意見が続き、正式なビジョン決定には至らなかった。

その中では、次期診療報酬改定や地域包括ケアシステムとの関連で注目が集まっている「かかりつけ歯科医の機能・役割」については、「多少の制約があっても、かかりつけ歯科医は地域で指定してもいいのではない」、「患者のフリーアクセスは確保しておくべき」。「かかりつけ歯科医の基本には信頼があり、それに期待したいのでフリーアクセス制約には抵抗感がある」などの意見が出された。

なお、「かかりつけ歯科医の機能・役割」に関してビジョン案では、①地域包括ケアシステムの一翼を担い、地域保健活動や外来受診患者の口腔疾患の重症化予防のための継続的な管理、②連携し切れ目なくサービスを提供、③具体的には、住民・患者ニーズへのきめ細やかな対応、切れ目ない提供体制の確保、他職種との連携―などを掲げており、歯科医師法や医療法を司る厚労省の医政局として、初めて「かかりつけ歯科医の機能」について踏み込んだ内容を提起している。

一方、歯科大学の入学定員削減や選抜基準などについても関心が集まり、「資質・能力を確保するために、歯科大学は、入学定員の削減や厳正な入学者の選抜基準を運用するとともに、きめ細やかな教育を行うことで…(中略)…医育機関の質が高まる」との表記に対し、このビジョンに加えるべき内容なのか、疑問符を投げかける意見が提起された。

なお、このビジョン案の内容取りまとめに関しては、この日の議論、意見を参考に座長と事務局に一任して年内に取りまとめることとなった。