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日本顎咬合学会指導医研修会に参加して/参加印象記(千代田区/濱克弥)

2018年 2月 23日 : コミュニケーション広場, 協会ニュース

日本顎咬合学会指導医研修会に参加して/参加印象記(千代田区/濱克弥)

2月18日、日本顎咬合学会の指導医研修会に参加した。ここでは、その時の概要などを紹介したい。

「食べる・生きる・喜ぶ~超高齢社会で歯科医師が行うべきことから」をテーマに講演とシンポジウムを開催。海外の学術雑誌にも多数のエビデンスを発表している神奈川歯科大学教授の山本龍生氏は、高齢者の追跡調査で歯が少なく義歯を未使用の場合、20歯以上の者より認知症発症リスクは実に1.9倍になること、歯が少ない者の転倒リスク等、高精度のデータを示した。

国際医療福祉大学教授の竹内孝仁氏は、介護の世界、特に寝たきり状態は全身にさまざまな問題を引き起こすことや、「活動性」をキーワードとする自立支援を介護の柱とし、義歯などでしっかり噛ませると大きな回復がみられることを強調。

続いて、臨床現場で撮影された動画を用いた報告が行われた。大分県開業の河原英雄氏の手技を引き継いだ複数の歯科医師が、脳血管障害や認知症で口から食べることが困難になり、歩行が不自由な患者さんの義歯を調整し、リンゴやピーナッツを食べられるまで改善させ、表情が好転、会話や自立歩行ができるまで回復させた。今後も歯科では機能評価が重視される中、われわれ自らがその重要性を示すことが「歯科界」、ひいては「国民の幸せ」に寄与することにつながる。

シンポジウムでは、「慎重にデータを分析する中で、これほど歯数の回復が全身に影響があるのか正直、心配だった。本日、臨床例やデータを多数見て、自分の研究結果は臨床の通りだったと実感した」と話す山本氏の発言が印象的だった。会場からも、「臨床で症例を積み重ね、それを学会が裏付ける。さらに歯科団体が国民の利益になるよう国にアピールする。未曾有の超高齢社会に向けて、歯科界の団結がこれまで以上に求められる」との発言があった。今後の協会活動への大事な示唆ともなった。

(千代田区/濱克弥)

左は日本顎咬合学会顧問の菅野博康氏。中央が筆者。右は協会の松島良次副会長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右は日本顎咬合学会理事長の上田秀朗氏

右は日本顎咬合学会前理事長の上濱正氏

 

 

 

 

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映画紹介№34「手紙は覚えている/ Remember」 【2015年カナダ・ドイツ製作/アトム・エゴヤン監督】

2017年 6月 1日 : コミュニケーション広場, 映画紹介

映画紹介№34「手紙は覚えている/ Remember」 【2015年カナダ・ドイツ製作/アトム・エゴヤン監督】

「覚えているか?君が決行すると言ったことを」
「君が覚えていられるように、ここに書き出しておいた」
 認知症の高齢者が物忘れを補うために、物の名前などメモしておくことは日常、よく行われます。
 この映画は、誰かが「あなたはこの名前でこんな生い立ちだ」と誘導すれば、認知症の高齢者などはその人物になりきってしまうという乱暴な仮説をもとに展開するサスペンス作品です。
 主人公セヴは老人ホームに入居する90歳の高齢者。急に認知症が進行し、目を覚ますと眠る前のできごとをすっかり忘れ、ただオロオロしている老人です。
 同じ入居者の老人マックスから一通の手紙を受け取ります。手紙には、君も私もナチス親衛隊員に家族を殺されたアウシュビッツの収容所の生存者だ。敗戦間近に親衛隊員の収容所ブロックの責任者がユダヤ人になりすまし、戦後、アメリカへ移住し、ルディー・コランダーという名に変えて生きている。今、その名に該当する男は四人いるが、本名はオットー・ヴァリッシュだ。自分は脳梗塞で車椅子生活なので、体を動かせる君に、この男を探して復讐して欲しい…。と記されています。
 この1通の手紙とまだらな記憶だけを頼りに、まるで徘徊するように、よぼよぼのセヴ老人は、この男の暗殺の旅に出かけます。

口径22ミリのデリンジャーを購入し、移動…


 手紙には、クリーブランドに行き、翌朝は迎えに来た車に乗り、銃砲店で老人でも扱える軽い口径22ミリの拳銃を手に入れ、ホテルに泊まれと書いてありました。
 1人目の男も2人目の男も人違いで、3人目の男はすでに他界し、これも人違いでした。
 そして4人目の男。その男は、ソルトレークの湖の近くに住んでいました。
 男を待つ間、セブが居間にあったグランドピアノで得意の「ワグナー」を弾いていると
「ユダヤ人ならワーグナーは好まんだろう」と男が現れます。セブはその声に覚えがありました。
「いつか、君が来ると思っていた」
「私はナチの親衛隊員で、アウシュビッツのブロック責任者、クニベルト・シュトルムだ」
「違う、あんたはオットー・ヴァリッシュだ」
「何を言ってるんだ。君がオットー・ヴァリッシュじゃないか」
「 ともにアウシュビッツのブロック責任者だった」
「腕を見てみろ。君の番号は98814だ」
「私は98813だ」
「戦後、逃亡するために互いに彫ったんだ」
「忘れたのか。 君はセブと名前を変えたんだよ」
 すべてを悟り、絶望したセブは男を撃ち、そして自分の頭に銃口を向け、引き金を引きます。
 老人ホームに入居したセブが、実は、正真正銘のオットー・ヴァリッシュだとマックスは気付いていました。
 認知症がひどくなり、記憶が曖昧になってきたセブに偽の記憶の手紙を渡し、二人をまとめて、葬ろうと謀ったのです。
 スクリーンには、サウンド・オブ・ミュージックのトラップ大佐を演じたクリストファー・プラマーをはじめ、超ベテラン俳優が顔を揃えます。最近、これほど面白い認知症サスペンス映画はみたことがありません。
(協会理事/竹田正史)

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きき酒いい酒いい酒肴No.25『鯉のぼりを眺めたしなむ「菖蒲酒」の楽しみ』(機関紙2017年5月1日号/No.566号)

2017年 6月 1日 : きき酒 いい酒 いい酒肴, コミュニケーション広場

きき酒いい酒いい酒肴No.25『鯉のぼりを眺めたしなむ「菖蒲酒」の楽しみ』(機関紙2017年5月1日号/No.566号)

—若葉の香りで清々しい気持にさせてくれる先人の知恵

◆端午の節句
五月晴れの青空に、鯉のぼりがみられる季節になりました。5月5日は端午(たんご)の節句です。古来、午月(うまづき)にあたる5月は凶の月とされていたそうです。そのため、月初めの午の日である「端午」には「菖蒲酒」を飲み、「菖蒲湯」につかり、粽(ちまき)を食べれば、邪気が払われ、疫病が除かれるといわれていました。中国伝来のしきたりで、屋根に菖蒲をかけて蓬でつくった人形(ひとがた)を門戸に飾ることがあります。この慣習は、日本でも普及したそうです。

◆端午の節句の変遷―鎌倉時代
その後、鎌倉時代には、走る馬の上から的を射る「流鏑馬(やぶさめ)」の競技が武士の間で行われるようになります。「菖蒲」が「勝負」「尚武」に通じるということ、そして、菖蒲はその葉形が刀剣に似ているので、邪気を斬り払う力を持つとされていました。子どもたちが地面を打ち合う「菖蒲打」という遊びも現れ、菖蒲の葉を「菖蒲刀」として使います。

◆端午の節句の変遷―室町・江戸時代
室町時代には「兜人形」がつくられ、江戸時代になると、立身出世のシンボルとして「滝登り」をする鯉を布でつくり、その「鯉のぼり」を庭に立て、子どもの健康と出世を祈る祭りへと変身していきました。

◆菖蒲の効果効能
そんな古い時代から習慣があった菖蒲湯や菖蒲酒ですが、単に厄除けとかの意味合いだけでなく、体に与える効能効果にはどんなものがあるでしょうか。
まず、よく使われるのは葉の部分ですが、実は葉よりも根茎部分の方に アザロン、オイゲノールなどの精油成分が多く含まれています。その独特の香りが邪気を払うと信じられ、厄除けとして使われていたようです。漢方では、菖蒲の根茎部分を天日干ししたものを「菖蒲根」といって使います。鎮痛、血行促進、リラックス効果があります。

◆植物学的に見る菖蒲
ショウブ、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ…。これらは外見が似ており間違いやすいのですが、違う品種となります。ショウブ(菖蒲)はショウブ科で、以前はサトイモ科に分類されていました。そして、アヤメ(菖蒲)、ハナショウブ(花菖蒲)、カキツバタ(燕子花、杜若)はいずれもアヤメ科です。漢字で書くとショウブもアヤメも「菖蒲」と書きます。漢字は同じですが、植物学的にはまったく違う品種です。ここが、日本語の不思議で面白いところだと思います。有名な尾形光琳の屏風は、燕子花です。
さて、菖蒲酒の作り方ですが、本来は菖蒲の根茎の部分を刻んで清酒に漬け込みます。しかし、なかなか根茎は手に入りにくいので、お酒に菖蒲の葉を浮かべて飲むだけでも、楽しむことができます。若葉の香りを楽しみ、清々しい気持にさせてくれる先人の知恵を現在の生活の中にも取り入れていきたいものです。


(協会理事/早坂美都)

 

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映画紹介№33「Ex Machina/エクス・マキナ」 【2015年英国製作/アレックス・ガーランド監督・作品】

2017年 4月 3日 : コミュニケーション広場, 映画紹介

映画紹介№33「Ex Machina/エクス・マキナ」 【2015年英国製作/アレックス・ガーランド監督・作品】

 「私は不良品として破棄さ
  れるの?」
 「あなと一緒にいたいわ」
2016年、グーグルのAI「Alpha GO」がプロ棋士に圧勝。人間がAIに負け、スマホが進化し、技術への不安や恐れが私たちの心や生活に深く潜むようになってきました。
映画は人工知能や検索エンジンによるビッグデータを利用し、人間を超えた人工知能AIとそれを作り出す天才プログラマーの葛藤を、今を舞台にして描くサスペンス作品です。
13歳の時にブルーブックのプログラムを書き、グーグルやアップルのような検索エンジンの会社を創業した天才プログラマーは山岳地帯の中の研究施設に引きこもり、人間を超える知能と感覚と体を合わせ持つAIロボット「エヴァ」を秘密裏に完成させていました。
人工知能が人間と同等以上であると判定されるには誰かにチューリングテストをやってもらう必要があります。「ロボットだと分っていても、人間として感じてしまうかどうかを見極めたい…」というのが天才プログラマーの願望でした。
映画は、その任務を負う若い男性が研究所に1週間、泊まり込むところから始まります。
AIロボット「エヴァ」は機械と分かるように手足は配線や構造が丸見えのスケルトンに作られています。
若者はエヴァの美しさと人間らしいしぐさ、振る舞い、知性に驚き、その不気味さに次第に惹かれていくようになります。
「ここでエヴァを作った」
「AIが人の表情読み取り真似できるようにした」
「私は地球上の携帯電話をすべてハッキングし」
 「数限りない声と表情のサンプルを集めた」
 「これが彼女の脳だ」
 プログラマーはいくつもの試作品を指さしながら、
 「脳は電子回路を使わないでジェル状になっている」
 「記憶を有効に貯蔵し、思考を形成できる」
 「流動性ハードウェアだ」
 「人間の思考形態は検索エンジンそのものだ」
「ソフト ウェアはブルーブックだ」
エヴァは「あなたも私と一緒にいたい?」と若者を誘惑してきます。
「僕に恋するように設定をしたのですか?」
 「恋するように、設定してある」
 「彼女は君が最初の男だ」
 「なぜエヴァを作った?」
 「人工頭脳の到来は避けられない」
 「エヴァの誕生は進化だ」
 「いつかAIは人間を原始人のように見なすだろう」
 「やがて人間が絶滅する時が来るかもしれない」
エヴァは想像力や性的誘惑を使い、若者の恋心を利用し従順さを装い、自分を作ったプログラマーを殺害し、全身を人工皮膚で覆い、施設を脱出し、人間として街の雑踏の中に消えていきます。
人間と機械の境界線が曖昧になり、この映画を観た後は、知らぬ間に街に人間の姿を装った元AIが紛れ込んでいるかもしれないと思うようになりました。
タイトルの「エクス・マキナ」の「エクス」は元カレの「元」。「元マシン」という意味だそうです。第88回アカデミー賞で、視覚効果賞を獲得しました。
(協会理事/竹田正史)

本年6月に日本で初めて開催される「AI・人工知能EXPO」。日本ばかりでなく世界の最新の製品、技術が一堂に会す。

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きき酒いい酒いい酒肴No.24『春色のロゼ~梅や桃や桜のお花見をするように…』(機関紙2017年3月1日号/No.564号)

2017年 3月 1日 : きき酒 いい酒 いい酒肴, コミュニケーション広場

きき酒いい酒いい酒肴No.24『春色のロゼ~梅や桃や桜のお花見をするように…』(機関紙2017年3月1日号/No.564号)

日差しが少しずつ柔らかく暖かになってくると、春めいてきます。「春告草(はるつげぐさ)」と呼ばれる梅から桃に花の主役がかわってきます。


✿バラ色の…
戸外に目がむかうようになってくるこの季節。春色のロゼワインを楽しむのに良いころです。
ロゼワインとはピンク色のワインで、「ロゼ」というのはフランス語で「バラ色の」という意味です。白ワインのさっぱりした味と、赤ワインの渋みが合わさったような味で、飲みやすく、いろいろな料理に合います。春の花の色合いが豊富であるように、ロゼワインも白に近い淡いピンクから紅色に近いイチゴのような濃いピンクまで、多くの美しい色合いがあります。


✿赤と白のブレンドではない
ロゼワインは赤ワインと白ワインのブレンドではありません。赤ワインと同じような種類のブドウから作られます。しかし、赤ワインほど色素を出さないため、ピンク色になります。大きくわけて、3つの方法で作ります。

✿醸造法は3つ
1つ目はマセレーション法といって、途中まで赤ワインと同じように作る方法。まず、ブドウをつぶして、果実・皮・種をすべて発酵タンクに入れます。この後、赤ワインの場合は発酵を進めるのですが、ロゼを作る際には、発酵が開始し、果汁に色がついた段階で、果実・皮・種をすべてろ過して、そのあとに低温で発酵を進めます。この方法が最も一般的な方法といわれています。
2つ目は直接圧搾法といって、白ワインのように作る方法です。赤ワインで使われるブドウの果汁を絞り、あとは白ワインと同じように低温で発酵させます。
3つ目は混醸法といって、黒ブドウ(赤ワインをつくるブドウ)と白ブドウを混ぜて、白ワインと同じように作ります。
EUの規定によって、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼとすることは、一般に禁じられていますが、その中で例外があります。フランスのシャンパーニュ地方に限っては、赤ワインと白ワインを混ぜる方法が許可されており、ロゼのシャンパンが作られています。少数ながら非発泡のロゼワインも生産されています。


✿ほどよいタンニンときれのいい酸味
赤ワインと白ワインのいいところを受け継いでいるロゼワインは、口中でほどよいタンニンと、きれのいい酸味が広がるので、食材の旨みを引き立ててくれます。イチゴやラズベリーなどの赤ベリー系の香り、ブラックベリーやプラムなど黒ベリー系の香りにしっかりとした酸味もあるので、肉料理にも合いますし、醤油ベースの和食にも意外なことに海老チリなどの中華にも合います。春の主役フキノトウなどの山菜のえぐみや香りにも合います。
ブドウの色素による美しい色合いが、桃のピンク、桜のうす紅、梅の移白(うつりじろ)移紅(うつりべに)のように見えるのです。ロゼといえば南フランスのプロヴァンズのイメージが強いようですが、日本の春にもぴったりなのです。
ぜひ、明るい春の日差しのもとで、梅や桃や桜のお花見をするように、美しいロゼワインを楽しんでみてください。
  (協会理事/早坂美都)

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映画紹介№32「ルーム~ROOM~」 【2015年カナダ・アイルランド製作/レニー・エイブラハムソン監督・作品】

2017年 2月 2日 : コミュニケーション広場, 映画紹介

映画紹介№32「ルーム~ROOM~」

 「ママは17歳の時に学校の帰りに誘拐され」

「7年間、監禁されている」

映画はオーストリアのフリッツル監禁事件を基に描いた小説「部屋」を原作としたヒューマンドラマです。事件は、実の娘が18歳から24年間、父親に地下室に監禁され、肉体的、性的な暴力を受け、7人の子どもを出産。2008年に救出されたというものです。

「ぼく5歳になったよ。もう大きいよ」

映画は、監禁されている部屋で子ども産み、その子どもが五歳の誕生日を迎えたところから始まります。部屋にはトイレ、浴室、調理台、ベッド、クローゼットなど最低限の設備だけが用意されています。

「部屋の外は宇宙空間。TVの惑星と天国があるの」

「外に出ると死んでしまう」

子どもには母親だけがこの世界の住人だと教えてきましたが、もうごまかせない年齢になってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外の世界を知らず、小さな暗い部屋で母親とTVの映像しか知りません。

「ドアの前で待つだけじゃ何も起こらない」

不思議の国のアリスの言葉に触発されて、逃げ出すことを決意します。

「あいつをだますの」

「モンテクリスト伯の脱出を真似するわ」

「死んだふりをするの」

「あいつは捨てる場所を探すわ。その前にトラックから転がって逃げ出す」

「そして最初に見た人に助けて!と叫ぶ」

そして脱出後、母子の世界は一変し、両親の離婚などの現実の変化に困惑し、新たな苦悩と再出発の日々が始まりました。

光に弱い目、弱い肌、雑菌免疫力低下のために、サングラス、日焼け止め、マスクを着用します。初めてのパンケーキ、初めての階段の昇り降りのリハも始まります。しかし、脱出して10日経っても、父親は犯人の産ませた子どもをまともに見ようとしません。押しかけるマスコミ、生活費のことなど想定していなかった問題が噴出してきます。

「ハッピーなはずなのに」

「ママは私の頭の中を知らない」

「ママが他人にはいつも優しくっていうから、あいつの犬を見に行ったのよ」

「どんな目で私を見る の?」

と、老いた母親を責めてしまいます。

マスコミは「子どもが大きくなった時、父親についてどう説明しますか」と質問してきます。

「部屋に帰ろうよ」

子どもが監禁されていた部屋を見たいといいます。

「これがあの部屋なの?」

「さようならイスさン、テーブルさん、ベッドさん」

「ママもお別れしてよ」

切ない心の高まりが流れる音楽でさらに高まります。

監禁ものの映画には、犯人の性格描写を克明に描いた映画「コレクター」などがありますが、この映画は脱出後の被害者の母子の苦悩、葛藤を描き、リハビリ、社会復帰を中心に人間の尊さを暖かく見つめます。

幸運を祈るお守りに、ママの抜けた歯を子どもが大事にしているのも面白いです。子どもの愛くるしい名演技に涙してしまいます。この作品で、主演女優のブリー・ラーソンは、アカデミー主演女優賞をとりました。

(協会理事/竹田正史)

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