社保・学術部

【重要】CD-R・紙レセプト請求継続には届出が必要/レセプトの請求方法 オンライン化の動き

 2024年4月1日以降、新規で光ディスク等(CD-RやMO)および紙媒体での請求は選択できなくなる。現時点で光ディスク等や書面でレセプト請求をしている医療機関における今後の取り扱いは以下の通りとなる。


(1) 光ディスク等(CD-RやMO)でレセプト請求している場合
①2023年4月以降、オンライン資格確認システムの導入の原則義務化に伴い、レセプトのオンライン請求も可能な回線が整備された状況にあると解釈され、2024年9月末までにオンライン請求に原則として移行しなければならない。
②2024年4月~9月までは、特段の届出を行うことなく従来の方法でレセプトの請求ができる。
③2024年10月以降も従来の方法でレセプトの請求をする場合は、審査支払機関(社保・国保)に対して、届出とオンライン請求への移行計画書を提出しなければならない。
 ※2024年8月31日までに医療機関向け総合ポータルサイト(4月頃開設予定)から提出することが必要。
④移行計画書は、最大で1年以内の計画を記載する必要があり、記載した期間に限り、従来の方法でレセプト請求ができる。
⑤届出自体は、1年間の更新制であり、従来の方法を継続していくためには、改めて届出と移行計画書の提出が必要である。


(2) 書面でレセプト請求している場合(①または②であることが必要)
①レセプトコンピュタを使用していない医療機関であること。
②レセプトコンピュタを使用していて、診療に従事するすべての常勤の保険医が1946年4月1日以前の生年月日(概ね77歳以上)であること。
③2024年4月以降も従来の方法でレセプト請求をする場合は、審査支払機関(社保・国保)に対して、届出書を提出しなければならない。なお、紙レセプトで請求を行っている医療機関を対象に、届出書と記載例などが支払基金より、2月上旬に郵送されるとのこと。
※2024年2月29日までに審査支払機関(社保・国保)に届出書の提出が必要。

①社会保険診療報酬支払基金
 〒105-0004 東京都港区新橋2-1-3
 社会保険診療報酬支払基金 事業統括部事業サポート課
 ※封筒の表面には、赤字で「猶予届出書在中(紙レセ)」と記載。

②東京都国民健康保険団体連合会
 〒102-0072 東京都国保連合会
 東京都千代田区飯田橋3-5-1東京区政会館11階
 東京都国民健康保険団体連合会 

パブリック・コメント:「レセプトのオンライン請求の実質的な義務化」について

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3月23日の社会保障審議会医療保険部会において、「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ案」を厚生労働省(以下、厚労省)が示してから6カ月が経った9月6日、「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令及び介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令の一部を改正する命令案に関する御意見の募集について」(以下、パブリック・コメント)の募集を開始しました。

概要は、光ディスク(CD-RMO)及び紙媒体によるレセプト請求を続けるためには、いずれの場合も事前に審査支払機関に届け出ることが必要になります。また、光ディスク(CD-RMO)でレセプト請求を継続する場合に限っては、オンライン請求への移行計画(詳細は不明)を求められ、1年毎の更新制になります。また、2024年4月1日以降に新規で開業した場合、紙媒体によるレセプト請求は選択できなくなります。さらに、電子(オンラインやCD-R等)によるレセプト請求から紙媒体によるレセプト請求に変更することもできなくなる。このように請求方法を限ったり、いずれの請求方法を選択するとしても各種手続きが煩雑になることは明らかです。

直近の東京都における歯科医療機関の各種請求方法(レセプト請求形態別の請求状況 社会保険診療報酬支払基金より)をみると、オンライン請求を行っている割合が31.1%、光ディスク等の電子媒体による請求及び紙媒体によるレセプト請求を行っている割合が68.9%です。

レセプト請求形態別の請求状況(令和5年度6月診療分)社会保険診療報酬支払基金より

東京歯科保険医新聞6月号2面に掲載の社保・学術部長談話では、「診療報酬の請求方法を一つに限定する実質的な義務化の強要は、医療機関に混乱を招き、地域医療の崩壊を加速させ、医療提供に影響を及ぼし、患者・国民にも波及しかねない」と警鐘を鳴らしています。

今回、募集を始めたパブリック・コメントは、厚労省に現場の意見を伝えることのできる唯一の場です。実質的なレセプトのオンライン請求義務化の動きに対するパブリック・コメントを是非数多く投稿しましょう。

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——————–「レセプトのオンライン請求の実質的な義務化」の概要————————————-

(1)レセプトの請求媒体の取扱い

フレキシブルディスク(FD)による請求方法を削除し、CDRMOのみに限る。。

 (2)光ディスク等でレセプト請求をしている医療機関の取扱い

2024年3月31日以前から光ディスク等を用いてレセプト請求を行っている医療機関は、同年9月30日までは光ディスク等を用いてレセプト請求できる。

2024年9月30日以降も光ディスク等を用いてレセプト請求を続ける場合は、オンラインによるレセプト請求へ移行するための計画と光ディスク等を用いてレセプト請求を行うことを事前に審査支払機関に届け出ることにより、1年ごとの更新で光ディスクによるレセプト請求を継続できる。

 (3)紙媒体でレセプト請求をしている医療機関の取扱い

【レセプトコンピューターを使用していない医療機関の取扱い】

2024年3月31日以前から紙媒体を用いてレセプト請求を行っている医療機関は、レセプトコンピューターを使用していない旨を事前に審査支払機関に届け出ることにより、紙媒体のレセプト請求を継続できる。

【高齢の歯科医師が常勤でいる医療機関の取扱い】

2024年3月31日以前から紙媒体を用いてレセプト請求を行っている医療機関であって、常勤の歯科医師が高齢かつ、レセプトコンピューターを使用している場合、当該歯科医師の生年月日が、1946年4月1日以前(概ね77歳)である旨を事前に審査支払機関に届け出ることにより、紙媒体のレセプト請求を継続できる。

 (4)施行日

20244月1日

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【談話】次期診療報酬改定に向けて~診療側の視点に立った適切な評価を〜/社保・学術部長

次期診療報酬改定に向けて~診療側の視点に立った適切な評価を〜

7月12日に開催された中央社会保険医療協議会(以下、中医協)の2024年度診療報酬改定に向けた「歯科医療について(その1)」の議論の中で、支払側より「予防的な部分に保険診療の領域が拡大していくことに強い問題意識を持っている」という発言があった。

確かに、国民健康保険法の第二条には、「国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする」とある。そのため、健康保険は疾病等、あくまで診断に至ったものに対して給付されるべきものという考えが根強いのだろう。また、保険医療機関及び保険医療養担当規則の第一条 療養の給付の担当の範囲に「診察、薬剤・治療材料の支給、処置・手術その他の治療」とあり、これも疾病を前提にした記載である。

しかし、歯周疾患や口腔機能低下症など、「歯科疾患の重症化予防」が重要視されていることは周知の事実である。これからの歯科医療には、疾病の進行を抑制するためにも「重症化予防」の視点を積極的に取り入れていくことが求められている。

診療側より出された意見について、「施設基準の重複」の整理が必要なこと、口腔機能や口腔疾患に大きな影響を与える全身的な疾患等において医・歯・薬のより深い「医療連携を深める」ことができるよう検討すること、また要件の緩和はあったものの、1998年より長期にわたり評価が据え置かれていた「歯科衛生実地指導料」についても、この間の社会情勢の変化や人件費の高騰に対応した適切な評価をすべきである。

前述の「重症化予防」にも繋がるが、口腔機能管理の中で行われる機能の獲得や維持、機能が低下した場合には、回復および向上のための「訓練に対する評価がない」ことに対しても意見が出されている。また、歯科用材料については、支払側も診療側も市場価格に左右されない非金属の新しい材料を積極的に活用すべきと意見が一致しているようである。これらの診療側の意見は、今後の歯科保険医療を充実させるために重要な視点ばかりである。

これからの歯科医療は「重症化予防」を抜きに、国民に対する歯科医療提供体制の構築はできないのではないか。また診療側から出された意見も、国が推進する地域包括ケアを含めたこれからの歯科医療には不可欠な検討課題であり、より歯科保健医療を充実させることを念頭に置いた議論を今後の中医協に期待したい。

2023年7月28

東京歯科保険医協会

社保・学術部長 本橋昌宏

談話「次期診療報酬改定に向けて ~診療側の視点に立った適切な評価を〜」

7月12日に開催された中央社会保険医療協議会(以下、中医協)の2024年度診療報酬改定に向けた「歯科医療について(その1)」の議論の中で、支払側より「予防的な部分に保険診療の領域が拡大していくことに強い問題意識を持っている」という発言があった。

確かに、国民健康保険法の第二条には、「国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする」とある。そのため、健康保険は疾病等、あくまで診断に至ったものに対して給付されるべきものという考えが根強いのだろう。また、保険医療機関及び保険医療養担当規則の第一条 療養の給付の担当の範囲に「診察、薬剤・治療材料の支給、処置・手術その他の治療」とあり、これも疾病を前提にした記載である。

 しかし、歯周疾患や口腔機能低下症など、「歯科疾患の重症化予防」が重要視されていることは周知の事実である。これからの歯科医療には、疾病の進行を抑制するためにも「重症化予防」の視点を積極的に取り入れていくことが求められている。

 診療側より出された意見について、「施設基準の重複」の整理が必要なこと、口腔機能や口腔疾患に大きな影響を与える全身的な疾患等において医・歯・薬のより深い「医療連携を深める」ことができるよう検討すること、また要件の緩和はあったものの、1998年より長期にわたり評価が据え置かれていた「歯科衛生実地指導料」についても、この間の社会情勢の変化や人件費の高騰に対応した適切な評価をすべきである。

前述の「重症化予防」にも繋がるが、口腔機能管理の中で行われる機能の獲得や維持、機能が低下した場合には、回復および向上のための「訓練に対する評価がない」ことに対しても意見が出されている。また、歯科用材料については、支払側も診療側も市場価格に左右されない非金属の新しい材料を積極的に活用すべきと意見が一致しているようである。これらの診療側の意見は、今後の歯科保険医療を充実させるために重要な視点ばかりである。

 これからの歯科医療は「重症化予防」を抜きに、国民に対する歯科医療提供体制の構築はできないのではないか。また診療側から出された意見も、国が推進する地域包括ケアを含めたこれからの歯科医療には不可欠な検討課題であり、より歯科保健医療を充実させることを念頭に置いた議論を今後の中医協に期待したい。

7月28
東京歯科保険医協会
社保・学術部長
本橋昌宏

マイナンバーカードによる資格確認ができない場合の対応

厚労省が、対応方法の取り扱いを示しました。概要を以下に示しますので、ご参照ください。

なお、健康保険証を提示する以外の方法は、頻雑なものとなっております。健康保険証の提示こそが最も確実かつ迅速な対応方法です。協会は、健康保険証の提示を周知する院内掲示ポスターを作成しておりますので、ぜひご活用ください。

(院内掲示ポスター ダウンロードは上記のイメージをクリックしてください)

 

1.対応方法

資格確認を行った際に「資格(無効)」や「資格情報なし」と表示される場合や機器不良等により資格確認を行えない場合は、以下の①~③の方法により資格確認を行って、10割ではなく自己負担分(3割分等)を領収します。

① 健康保険証がある場合、それで資格確認を行い自己負担分(3割分等)を領収する。

② 患者さんの方でスマートフォン等でマイナポータルにアクセスしてもらい、資格情報の画面を提示してもらう。それで資格確認を行い自己負担分(3割分等)を領収する。

③ ①②で資格確認できない場合、「被保険者資格申立書」を記入してもらい、患者が申し立てた自己負担分(3割分等)を領収する。患者さんには、後で資格が分かったら医療機関に連絡をしてもらう。(当該診療報酬の請求は、2023年9月請求から可能)

「被保険者資格申立書」およびその説明書のダウンロードは上記のイメージをクリック

※:顔認証付きカードリーダーが故障した場合には、コールセンターに電話をしたうえで、オンライン資格確認等システムの「緊急時医療情報・資格確認機能」を立ち上げ、患者の氏名、生年月日、性別、住所又は保険者名で照会することにより、資格確認を行うことができます(オンライン資格確認等コールセンター:電話:0800-080-4583)。なお、停電、施設の通信障害、広範囲のネットワーク障害などが発生した場合も同様となり、停電の復旧等によりシステムにアクセス可能になった後に資格確認を行うことができます。

 

2.請求方法

請求方法は、以下の①・②のいずれかになります。

①健康保険証の提示、マイナポータルの画面やシステム障害時モードにより資格確認を行った場合は、それで確認した患者の保険者等番号及び被保険者等記号・番号でレセプトを請求する。

②「被保険者資格申立書」の提出があった場合で、その後患者から被保険者等記号・番号などの提出がなく医療機関等から患者に確認しても特定できない時は、以下の取扱いでレセプトを請求する。 

(保険者等番号)
・「保険者番号」は「77777777(8桁)」を記録する
(被保険者等記号・番号)
・ 被保険者証の「記号」は記録しない
・「番号」は「777777777(9桁)」を記録する(後期高齢者医療の場合は「77777777」(8桁)を記録する)
(摘要欄)
・摘要欄の先頭に「不詳」を記録する(紙レセプトの場合は、上部欄外に赤色で不詳と記載する)
・摘要欄の不詳の下段に、被保険者資格申立書に記載された患者のカナ氏名、保険者等名称、事業所名、住所(複数存在する場合は全て)、連絡先、患者への連絡を行った日付を記録する

※ なお、現在の資格情報を確認できなかった場合でも有効な保険証が発行されている場合においては、「資格(無効)」画面に表示された喪失済みの資格や過去の受診歴等から確認した資格に基づく保険者等番号及び被保険者等記号・番号をレセプトに記載し、摘要欄に「旧資格情報」である旨を記録して請求すると、保険者の方で現在の保険者等番号等に振替する仕組みもあります。ただし、①公費併用請求の場合、②高額療養費等の場合、③請求の時点で新たな保険者等からデータ登録がなされていない場合は、振替が行われず返戻になりますのでご注意ください。

<参考通知>

通知1:マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応について

通知2:診療報酬等の請求の取扱いについて

 

 

 

談話「オンライン請求義務化の撤回を求める ~現場の声を反映し、医療機関側に裁量権を与えよ~」

3月の社会保障審議会医療保険部会において、厚労省は「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ案」を提示した。

その内容は、2024年4月以降は光ディスク等の電子媒体による請求の新規適用を認めず、現行の電子媒体でレセプト請求をしている医療機関に対して、2024年9月末までにオンライン請求への移行を原則「義務化」するものである。10月以降も電子媒体で請求(自院でレセコンを未所有で外部委託により電子媒体で請求している場合など)を継続する場合は、オンライン請求への移行計画の提出を求めて1年単位の経過措置にするとされている。また、紙レセプト請求については、レセコン未使用時の新規適用を20244月で打ち切り、4月以降も紙レセプトで請求するには要件を満たす旨の届出を改めて求めるとされている。加えて、「義務化」を強行するために2023年度中に診療報酬に関する請求省令を改正することも示している。

東京都において、オンラインで請求をしている歯科医療機関は26%に過ぎない。このような状況でありながら、昨年5月にはオンライン請求システムの不具合により、レセプト請求が一時的にできない状況が生じた。オンライン請求が一斉に施行されることになれば、システムのオーバーフローが危惧される。

このような懸念があり、現行の運用に何ら問題がないにも関わらず、診療報酬の請求方法を限定する実質的な義務化の強要は、医療機関に混乱を招くだけである。診療報酬の請求ができないとなれば、地域医療の崩壊を加速させ、医療提供に影響を及ぼす可能性があり、最終的に患者・国民へ波及しかねない。

当協会の会員からも「裁量権のない強制的な義務化は閉院を意味する」、「一方的な押し付けには断固反対する」など、義務化の撤回を求める声や裁量の自由を求める声が多く寄せられている。

国や国保連合会、支払基金などの審査等の業務効率化やレセプトデータの利活用などばかりを強調し、現場をあずかる医療機関側には全く裁量権を与えない強制的な義務化方針の撤回を強く求める。

2023年5月26
東京歯科保険医協会
社保・学術部長
本橋 昌宏

<受付終了>6月22日(木) 第1回学術研究会

【テーマ】

「認知症の人の口を支える基礎知識:出来ない理由にしないために」

【抄録】

8020達成者が2016年には5割を超え、継続的な口腔管理が必要不可欠であることは誰もが認識しているところです。その一方で、80歳以上になると認知症発症のリスクも急速に高まります。認知症が進行すると自立した口腔清掃が困難となり、う蝕や歯周病の発症リスクが上がります。さらには介護者などによる支援を受け入れることが困難になるケースも多く、口腔管理は一層困難となります。歯科界は高齢期に自身の歯を多くの残すプロモーション(8020運動)を進めた以上、認知症を発症しても自身の歯さらには口の機能を守る責務があると考えます。認知症の人を歯科としてどう支えるか、皆様方と考えるお時間を頂けましたら幸いです。

【日時】6月22日(木)19時00分~21時00分

【講師】平野 浩彦 氏(東京都健康長寿医療センター 歯科口腔外科部長)

【会場】

Zoomウェビナーを用いたライブ配信

または

協会会議室(東京都新宿区高田馬場1-29-8いちご高田馬場ビル6階)

【定員】

Zoomウェビナー:500名

協会会議室:18名(先着順)

※会場参加の場合、先着順になりますので状況によってはお受けできない場合があります。できる限り、Zoomウェビナーでのご参加をお願い致します。

【参加費】

無料(会場参加の場合、会員証1枚につき1人無料、2人目以降1名につき1,000円。※未入会の場合はご入会が必要です)

※ZOOMウェビナーに登録できるメールアドレスは、会員1名につき1アドレスです。

お申込みは以下URLからお願いいたします。

https://forms.gle/eYXnTojBx84mTMpi7

この講習会は終了いたしました。

「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」について

2024年1月以降の取り扱いについて

医療情報・システム基盤整備体制充実加算1
初診時:(変更前)6点→(変更後)4点

医療情報・システム基盤整備体制充実加算2
初診時:(変更前)2点→(変更後)2点

医療情報・システム基盤整備体制充実加算3
再診時:(変更前)2点→(変更後)廃止

加算算定はオンライン資格確認システムおよびオンライン請求が条件

オンライン資格確認システムを導入し、さらにレセプトのオンライン請求をしている医療機関において算定できる「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」は、4月から12月までの時限的なものですが、健康保険証を提示した患者については、初診時の4点が6点に引き上げられ、再診時にも月1回に限り2点を加算できるようになりました(図 算定のフローチャート)。

 

〇 算定するための要件

 

(1)オンライン請求を行っている

 

(2)オンライン資格確認システム(オン資)を導入している

 

(3)薬剤情報、特定健診情報などの診療情報を取得・活用している

 

(4)(2)~(3)について院内掲示及びホームページで掲示

 

(5)初診時は標準的な項目を含む問診票を使用している

 

 

なお、初診時に6点または2点を加算している場合、同月内の再診時に2点は加算できません。
加算するにあたっては、初診時には標準的な項目を含めた問診票(以下「問診票の標準的な項目」)で、再診時は問診票の作成は要しませんが健康保険証を提示した患者が対象で、システムから診療情報等を取得できないため初診時に行った問診等で診療情報等の確認が必要です。

当該加算は自動的に加算できるわけではなく、その都度診療情報等の確認を要するので注意が必要です。具体的な症例は、「東京歯科保険医新聞 2023年4月1日(第637号)」9面の『症例研究』を参照ください。

 

表 問診票の標準的な項目

 

①マイナ保険証による診療情報の取得に同意したか

②他の医療機関からの紹介状を持っているか

③本日受診した症状について(症状の内容、発症時期、経過等)

④現在、他院に通院しているか(医療機関名、受診日、治療内容等)

⑤現在、処方されている薬があるか(薬剤名、用量、投薬期間等)

⑥これまでに大きな病気(入院や手術を要する病気等)にかかったことがあるか(病名、時期、医療機関名、治療内容等)

⑦この1年間で健診(特定健診、高齢者健診、歯科健診)を受診したか(受診時期、指摘事項等)

⑧これまでに薬や食品などでアレルギーを起こしたことがあるか(原因となったもの、症状等)

⑨(女性の場合のみ)現在、妊娠中又は授乳中であるか(妊娠週数等)

※問診票は、①~⑨をすべて含む必要があるが、不足している項目を現在使用している問診票に加える対応でもよい。

※加えて、(1) 診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療の提供に努めていること、(2) 正確な情報を取得・活用するため、マイナ保険証の利用に協力をいただいきたいこと、(3) 加算1(初診時):6点(健康保険証を利用した場合)、加算2(初診時):2点(マイナ保険証を利用した場合)、加算3(再診時):2点(健康保険証を利用した場合:月1回)を問診票に含める必要がある。

 

 

4月からオンライン資格確認システムの導入が義務となり、すでに運用を開始した先生から様々なトラブル事例が協会に寄せられています
協会では、今後、国会議員や厚労省に対して、義務化の撤回や改善要望を行う必要があると考え、現場で起きたトラブル事例を集めています。改善要望等を行う上では、会員の先生方の現場の声が必要です。是非、アンケートにご協力ください。

 

 

 

 

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レセプトの返戻 オンライン化 

オンラインでレセプト請求を行っている医療機関において、国保連合会や支払基金から返戻されるレセプトは紙でも送られてきますが、4月からは原則としてオンラインでなければ再請求できなくなります。なお、電子媒体(CD―ROM等)や紙媒体請求でレセプトを請求している医療機関においては変更がなく、これまでどおり紙媒体で再請求します。

返戻データをダウンロードする

オンラインで返戻レセプトを再請求する場合、自身でオンライン請求システムにアクセスし、返戻データのダウンロードを行い、修正後にオンラインで再請求することになります。

ただし、ダウンロードできる返戻レセプトは直近3カ月分となっているため、期間内にダウンロードをしておく必要があります。また4月からオンラインで返戻の再請求を始める医療機関の場合、2022年12月処理分以前のレセプトはダウンロードできませんが、これについては返戻された紙レセプトで再請求できます。なお、返戻の中にはオンライン請求システムからダウンロードできないものがあり、返戻された紙のレセプトで再請求する必要があります。これは、返戻された紙レセプトに添付された書類で見分けることになり、該当する紙レセプトは廃棄をしないように注意が必要となります。

4月薬価改定

4月は薬価改定が行われる。歯科診療所で用いることがある、歯科用局所麻酔薬、歯周病治療処置で用いる歯科用軟膏剤およびリグロス歯科用液キットについては、薬価の変更はない。
 主な薬剤に係る薬価表は、デンタルブックに掲載される。なお、全ての薬剤の薬価については厚生労働省ホームページ内にある「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」より閲覧できる。

「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」はこちら

2023年4月 金銀パラジウム合金等の随時改定

金パラは引き下げ 銀合金などは引き上げに

4月に歯科用貴金属の随時改定が行われ、歯科鋳造用金銀パラジウム合金が1g 3,711円から3,391円に引き下げになる。一方、歯科鋳造用14カラット金合金鉤用が1g 6,645円から6,729円に、歯科用鋳造用銀合金第1種は1g 144円から151円に、同2種は1g 177円から184円に引き上げになる。

 

中央社会保険医療協議会 | 診療報酬改定に 向けて議論が始まる

3月15日、中央社会保険医療協議会は、2024年度の医療と介護の同時改定に向けて社会保障審議会との意見交換会を開始した。今回は、一体的に運用・連携することでより効果的な治療・重症化予防・自立支援に繋がることが期待されている「リハビリテーション・口腔・栄養」をテーマの一つとして意見交換が行われた。

意見交換会の中で、中医協委員である林正純氏(日本歯科医師会常務理事)は、①入院患者や施設入所者を診療する際の多職種との連携の重要性、②口腔・栄養・リハビリの早期介入の重要性、③ICTを最大限に活用した情報共有システムの必要性、④医療的ケア児、障がい児者、認知症患者等に係る障害福祉サービスとの連携の必要性など、歯科が早期から口腔の健康管理に介入し、切れ目のないような仕組みづくりを期待したいと発言があった。

また、口腔とQOLの関係性等にも触れながら、多職種連携の重要性を訴えた。加えて、複雑化している医療保険と介護保険の給付調整の存在についても改善を要望。
次回は、高齢者施設・障害者施設等における医療や認知症をテーマに4月中旬に開催される予定。

歯援診1を2023年4月以降継続する場合、届出は不要に 

 2022年度診療報酬改定で在宅療養支援歯科診療所1(歯援診1)の施設基準の要件のうち、訪問診療1または2の算定実績が、過去1年以内に15回以上から18回以上に引き上げられました。一方で、歯援診2の場合は、過去1年以内に10回以上から4回以上に引き下げられています。

 これにより、2022年3月末において歯援診1を届け出ている医療機関が、経過措置が終了する2023年4月以降も歯援診1を継続する場合は、2023年3月末までに再度の歯援診1の届出を関東信越厚生局東京事務所に行う必要がありましたが、3月10日の通知により、歯援診1の施設基準を満たしていれば、届出をする必要はなくなりましたのでご注意ください。

通知はここをクリック(経過措置を設けた施設基準の取扱いについて)

 また、歯援診1の算定実績を満たせずに、①歯援診2に変更する場合若しくは②歯援診1又は2の要件をいずれも満たせず、訪問診療の割合が95%未満で引き続き歯科訪問診療料1・2・3を算定する場合は、2023年4月3日(月)(必着)で関東信越厚生局東京事務所に届出(①は歯援診2の届出を、②は歯科訪問診療料の注13に規定する施設基準(歯訪診)の届出)を行ってください。(なお、歯援診2の届出をしている医療機関が、2023年4月以降も歯援診2を継続する場合は届出は必要ありません)

届出書類はここをクリック(歯援診2は整理番号「2-69」、歯訪診は「2-95」にあります)

 歯援診1又は2を届出しているか否かが不明な場合は、関東信越厚生局ホームページ内にある「保険医療機関・保険薬局の施設基準の届出受理状況及び保険外併用療養費医療機関一覧」より、自院の施設基準の届出状況を確認できます。

施設基準の届出状況はここをクリック(「施設基準の届出状況(全体)」の東京都の歯科を参照)

 

4月から返戻がオンライン化

―オンライン請求の医療機関

 オンライン請求を行っている医療機関の場合、レセプトが返戻された場合には紙レセプトまたはオンラインのいずれかで再提出をすることになっている。しかし、今年4月からは、返戻は紙でも送られてくるが、オンラインでなければ再提出ができなくなる。なお、手書きレセプト請求またはCDなどの電子媒体請求の医療機関については変更がなく、4月以降も紙レセプトで再提出する。

―ダウンロード期間は3カ月

 オンラインで再提出する場合、自院でオンライン請求システムにアクセスし、返戻データをダウンロードし、修正後にオンラインで請求することになる。ただし、ダウンロードできるレセプトは直近3カ月分となっているため、期間が過ぎる前にダウンロードして再請求することになる。なお、今年4月からオンラインでの再提出を始める医療機関の場合、ダウンロード期間の終了により22年12月処理分以前の古いレセプトがダウンロードできないが、その場合には、返戻された紙レセプトで再請求できる。

―できない場合は3月中に猶予届出を

 オンライン請求の医療機関においては、4月からオンライン化できない事情がある場合、経過措置が設けられている。レセコンメーカーに改修を依頼したが、4月からできないなどの事情がある場合は3月末までに届出を行っていただきたい。なお、届出は、2月請求時にオンライン請求システムにログインした際に表示される「ポップアップ画面」から、経過措置に該当する項目を選択して行う。しかし、何らかの理由でポップアップ画面から届出ができていない場合は、届出用紙をダウンロードし、「支払基金本部事業総括部オンライン化経過措置担当」宛て(住所:〒105-0004 東京都港区新橋2―1―3)に3月中に郵送する。今年9月末以降も対応できない場合は、審査支払機関から医療機関に働きかけをするとされており、システム改修中の医療機関は9月末までに対応できればよい。

 不明な場合は、支払基金の関東審査事務センター審査事務担当者、または東京都国保連合会のレセプト電算係(電話:03―6238―0456)へお問い合わせ。

―紙で再提出必須のレセプト、添付書類で見分ける

 返戻の中には紙レセプトでしか返戻されないものがあり、その場合はオンライン請求システムからダウンロードができないため、返戻された紙媒体のレセプトで再請求する必要がある。これは、返戻された紙レセプトに添付された書類で見分けることになっており、該当する紙レセプトは廃棄しないようにご注意いただきたい。

4月から返戻がオンライン化

―オンライン請求の医療機関
 オンライン請求を行っている医療機関の場合、レセプトが返戻された場合には紙レセプトまたはオンラインのいずれかで再提出をすることになっている。しかし、今年4月からは、返戻は紙でも送られてくるが、オンラインでなければ再提出ができなくなる。
 なお、手書きレセプト請求またはCDなどの電子媒体請求の医療機関については変更がなく、4月以降も紙レセプトで再提出する。

―ダウンロード期間は3カ月

 オンラインで再提出する場合、自院でオンライン請求システムにアクセスし、返戻データをダウンロードし、修正後にオンラインで請求することになる(図1)。ただし、ダウンロードできるレセプトは直近3カ月分となっているため、期間が過ぎる前にダウンロードして再請求することになる。
 なお、今年4月からオンラインでの再提出を始める医療機関の場合、ダウンロード期間の終了により22年12月処理分以前の古いレセプトがダウンロードできないが、その場合には、返戻された紙レセプトで再請求できる。

―できない場合は
3月中に猶予届出を

 オンライン請求の医療機関においては、4月からオンライン化できない事情がある場合、経過措置が設けられている。レセコンメーカーに改修を依頼したが、4月からできないなどの事情がある場合は3月末までに届出を行っていただきたい。なお、届出は、2月請求時にオンライン請求システムにログインした際に表示される「ポップアップ画面」から、経過措置に該当する項目を選択して行う。しかし、何らかの理由でポップアップ画面から届出ができていない場合は、届出用紙をダウンロードし、「支払基金本部事業総括部オンライン化経過措置担当」宛て(住所:〒105-0004 東京都港区新橋2―1―3)に3月中に郵送する。今年9月末以降も対応できない場合は、審査支払機関から医療機関に働きかけをするとされており、システム改修中の医療機関は9月末までに対応できればよい。
 

 不明な場合は、支払基金の関東審査事務センター審査事務担当者、または東京都国保連合会のレセプト電算係(電話:03―6238―0456)へお問い合わせをいただきたい。


―紙で再提出必須のレセプト、添付書類で見分ける

 返戻の中には紙レセプトでしか返戻されないものがあり、その場合はオンライン請求システムからダウンロードができないため、返戻された紙媒体のレセプトで再請求する必要がある。
これは、返戻された紙レセプトに添付された書類で見分けることになっており、該当する紙レセプトは廃棄しないようにご注意いただきたい。

東京都 2021年度の個別指導32件

前年に比べて実施件数が減少

 厚生労働省は「令和3年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況について(概況)」を公表した。それによると、2021年度の東京の歯科では保険医療機関ベースで、個別指導32件、新規個別指導45件、監査3件が実施されていたことが分かった。
 前年と比べ、個別指導は8件減少、新規個別指導は48件減少、監査は3件減少しており、全国的な傾向であるが新型コロナウイルス感染症の影響で指導の延期が起きたことが、減少の要因と考えられる。

―厚労省が指導日程の開示を認める

 また、指導の日程について、厚生局はこれまで開示をしない方針を取っていたが、この度、協会が行った不服請求により、指導日程を黒塗りすることには正当な理由がないとし、開示が認められ、22年度の指導日程は開示されている。
 間もなく年度が切り替わるが、23年度の指導日程も明らかになり次第、会員にお知らせする。

歯科用貴金属価格改定―4月から金パラのみ引き下げ 

 2月15日開催の中央社会保険医療協議会総会で、4月に行われる歯科用貴金属価格の随時改定が議論された。歯科鋳造用金銀パラジウム合金(以下、「金パラ」)の平均素材価格が、昨年8月~10月と比べて昨年11月~今年1月が下がっていることから、4月以降の金パラの告示価格は引き下げとなった。一方、その他の金属は引き上げになる。
 金パラの価格引き下げについては、素材であるパラジウムの価格が下がっていることが大きく影響している。
 4月以降の点数については、今後発出される通知で明らかにされる。通知が発出され次第、デンタルブックメールニュース、機関紙等でお知らせする。

4月から再診時もオン資の加算

 4月から、オンライン資格確認システム(以下、「オン資」)およびオンライン請求を導入した医療機関で算定できる「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」(以下、「医シ」)が一部変更され、再診時にも算定できるようになる。初診時の医シは標準的な項目を含んだ問診票を使用する必要があるが、再診時の「医シ」は、問診などにより他院の処方を含む薬剤情報や必要に応じて健診情報などを確認することが要件となっている。情報確認が必須であり、「オン資」を導入すれば自動的に算定できるわけではない。

―オン資導入後は院内掲示も必要

 「医シ」の算定の有無にかかわらず、4月から「オン資」の導入後はマイナンバーカードによる資格確認ができることを院内掲示する必要がある。患者に、健康保険証ではなくマイナンバーカードを持参させようと働きかける狙いが窺がえる。

―オンライン請求への誘導も

 また、「医シ」の施設基準に特例措置が設けられ、今年の12月31日までにレセプトのオンライン請求を開始する旨を届け出ることを条件に、「オン資」は導入したがレセプトのオンライン請求は行っていない医療機関でも「医シ」を算定できる。マイナンバーカードの普及と共に、オンライン請求への誘導も図られている。

―一般名処方加算も院内掲示が必要に

 医薬品供給が不安定な状況を踏まえて適切な処方をするなどの観点から、4月から12月までの間、一般名処方加算および外来後発医薬品使用体制加算が2点引き上げられる特例措置も設けられる。
 引き上げに際しては院内掲示の扱いが変更され、一般名処方加算の場合は、医薬品の供給状況などを踏まえつつ、一般名処方の趣旨を患者に十分に説明することを院内掲示する必要がある。
 外来後発医薬品使用体制加算の場合は、施設基準を届け出していることに加えて、①医薬品の供給が不足した場合に処方変更などの対応ができる体制を整備していること、②医薬品の供給状況によって投与する薬剤を変更する可能性があること、③変更する場合には患者に十分に説明すること、の3点を院内掲示する。なお、今回の特例措置に際して届出を行う必要はない。

「一般名処方加算」 「外来後発医薬品使用体制加算」 4月から引き上げ 期間は12月まで

2022年12月23日に開催された中医協において、一般名処方加算と外来後発医薬品使用体制加算を2023年4月から同年12月までの期間に限り、医薬品の供給が不安定な状況を踏まえた時限的措置として点数を2点引き上げることが確認された。
院外処方時や外来後発医薬品使用体制加算を届け出ている場合はご注意が必要。

<受付中>2月16日(木) 第3回学術研究会

【演題】

「いわゆる有病者、全身疾患を持つ患者をどう診ていくか?」〜健康寿命延伸社会において起こりうるリスクに備えるために〜

【抄録】

医学の発展により、平均寿命はもちろん、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる健康寿命も延伸しています。しかし、その中にはさまざまな合併疾患を治療中の患者も少なくありません。本講演では、その中でも総合医療管理加算(総医)の対象となる糖尿病患者、HIV患者、骨吸収抑制薬投与中患者、感染性心内膜炎のハイリスク患者、関節リウマチ患者、抗血栓療法中患者の6疾患に焦点を当て、歯科治療における注意点や管理方法、医科からの診療情報の活かし方などについて学んでいきたいと思います。(講師より)

【日時】

2月16日(木)19時00分~21時00分

【講師】

丸岡豊氏(国立国際医療研究センター病院 副病院長/同病院 歯科・口腔外科 診療科長)

【配信方法】

Zoomウェビナー+協会会議室18名(先着順)

【対象】

会員とそのスタッフ

【参加費】

無料(会場参加の場合、同伴者1名につき1,000円)

【申込はこちら】

https://forms.gle/4jQs5dXXSesBNpDi9

関ブロ 要望書提出/オンライン資格確認システムの原則義務化について

12月20日、オンライン資格確認システムの原則義務化について、関東ブロックの構成全9協会の会長・理事長による連名の共同要望書を、厚労相、デジタル相、中医協事務局、医療DX推進本部に提出した。
政府はオンライン資格確認システムを23年4月から義務化することを発表して以来、さまざまな施策を講じてきた。しかし、原則としてすべての医療機関に対して、①カードリーダーを備え、②マイナ保険証による資格確認作業を求めるという、いわゆる「義務化」を計画通りに施行することは明らかに困難な状況にある。
そのため、国民皆保険制度における資格確認手続きの方法の大変革を推進する政府に対して、責任ある対応を求めるものとして、要望書「1人の閉院・廃業者も出さないよう要望いたします」を提出した。

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オン資システム 4月開始間に合わず/経過措置示される

「やむを得ない事情」6項目と期限 中医協 12・23

12月21日、23日に中央社会保険医療協議会(以下、「中医協」)の総会が開催され、オンライン資格確認(以下、「オン資」)の原則義務化について、2023年3月末までにシステム導入が完了しない保険医療機関等の「やむを得ない事情」の経過措置と診療報酬上の評価が決定された。
21日の総会には、12月11日時点のオン資の運用が可能な施設数は義務化対象施設(手書きレセプト請求医療機関を除く)に対して41.0%と低調であり、当初の導入目標に達しないことから、期限付きの経過措置を設けることが諮問されていた。
その後、23日の答申では、「やむを得ない事情」の6項目とその期限が示された(表1参照)。具体的な経過措置として、23年2月末までにベンダーと契約締結したが、導入に必要なシステム整備が未完了の保険医療機関について、システム整備が完了する日まで(遅くとも23年9月まで)を対象とした。
また、光回線のネットワーク環境が整備されていない場合や訪問診療のみを提供する場合、保険医療機関を廃止・休止する計画を定めている場合なども対象とした。その他、特に困難な事情がある場合として、「自然災害等により、継続的に導入が困難となる場合」「高齢の医師等でレセプトの取扱件数が少ない場合(目安として、23年4月時点で常勤の医師等が高齢で、月平均レセプト件数が50件以下)」「その他例外措置などと同視できる特に困難な事情がある場合」が例示された。経過措置には、23年3月末までに厚生局への届出(改修完了予定月を含む)を義務とした。なお、補助金(医療情報化支援基金)の対象期間は、それぞれ異なるので注意が必要である。
診療報酬上の評価としては、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」に関して、厚労大臣と財務大臣による大臣折衝が行われ、オン資の導入・普及の徹底の観点から、マイナ保険証を利用しなかった場合には、23年4月から12月末までの特例で再診時に2点の加算を設けるとともに、初診時は4点から6点に引き上げることも確認された(表2参照)。
連合委員の間宮清氏からは、「マイナ保険証を持参しないとペナルティー的に料金が高くなるのは納得できない」と疑義が出された。

 

 

 

 

 

 

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・すべての歯科医療機関が安心して診療できるように

2023年4月からオンライン資格確認システム導入後の点数の変更

オンライン資格確認システムを導入している医療機関は、医療情報・システム基盤整備充実体制加算を算定できますが、2023年4月から点数や施設基準が変更され、同年12月末まで下記の通りとなります。

1.初診時の点数の変更(期間:2023年4月~12月)

(1)マイナンバーカードを利用しない場合

 医療情報・システム基盤整備体制充実加算1:4点→6点(+2点の引き上げ)

(2)マイナンバーカードを利用する場合

 医療情報・システム基盤整備体制充実加算2:2点→2点(変更なし)

2.再診時の点数の変更(期間:2023年4月~12月)

(1)マイナンバーカードを利用しない場合

 (新設)医療情報・システム基盤整備体制充実加算3(1月に1回)2点

*マイナンバーカードを利用する場合は、再診時の加算はありません。

3.施設基準の特例(期間:2023年4月~12月)

 オンライン請求を行っていることが要件となっていますが、2023年12月31日までにオンライン請求を開始することを厚生局に届け出た場合は要件を満たしたものとみなすことができます。それにより、オンライン請求をしていない場合でも、オンライン資格確認システムを導入している場合は、4月~12月まで点数の算定ができます。

<受付中>11月26日(土)第2回若手歯科医師向け学術ベーシック講座

【演題】

第2回若手歯科医師向け学術ベーシック講座「歯科医院で行う下顎智歯抜歯のベーシック」

【抄録】

歯科医院で下顎智歯の抜歯が敬遠されがちな理由の一つに、施術時間を読み切れないことが挙げられる。しかし、昼休みや終業時刻の直前の予約枠に入れたりするなどの工夫を組み入れて対応している歯科医院もある。この講座では、受講者が日頃抱く疑問や今更尋ね難いと思っている基本手技をアンケート形式で集め、歯科医院で下顎智歯の抜歯を安全に行うための留意点を解説する予定である。

【日時】

11月26日(土)午後7時~9時

【講師】

西田 紘一 氏(東京歯科保険医協会 監事)

【会場】

東京歯科保険医協会会議室(Zoom併用なし)

【定員】

15名(40歳代までの会員限定)

【参加費】

4,000円

【申込はこちら】

https://forms.gle/nUGEzJkR7f8bRaji7

<受付中>12月22日(木)第2回学術研究会

【演題】

チーム医療で目指す予防歯科〜信頼される予防歯科を実現するためのスタッフ教育と医院のシステムづくり〜

【抄録】

歯周治療を行うためには初診からメインテナンスにいたるまで、スタッフ全員の連携によるチームアプローチが重要で、医院全体のレベルアップが必要となります。本講演では歯周治療を進める上で、どのように患者さんにアプローチしたら良いのか、また、成功に導くためのシステム作りとして、スタッフ教育やカウンセリングをどのような方法で行うのが効果的なのかを当医院を例にとりご紹介しながら、楽しく明るい未来のある歯科医院づくりについてお話ししたいと思います。(講師より)

【日時】

12月22日(木)午後7時00分~9時00分(予定)

【講師】

若林 健史 氏(若林歯科医院 院長/渋谷区)

【配信方法】

Zoomウェビナー+協会会議室18名(先着順)

【対象】

会員とそのスタッフ

【参加費】

無料(会場参加の場合、同伴者1名につき1,000円)

【申込はこちら】

https://forms.gle/8qvYDgR9F1NVcrrM6

 

75歳以上の窓口負担2割化 窓口対応の注意点

 75歳以上で一定の所得がある患者の負担割合が、10月より1割から2割に引き上げられる。レセプト記載や負担金の受領方法も一部変更になるため、注意点を解説する。

▼水色の被保険者証を確認
 10月からの負担割合変更に伴い、すべての75歳以上の後期高齢者に対して、9月に新しい被保険者証(東京都の場合は水色)が発行されている。10月以降に診療をする際には、窓口で水色の被保険者証の確認をする必要がある。
 また、レセプトの特記事項欄の記載も一部変更されるため、10月診療分以降の請求の際には、注意が必要である。

▼3,000点超えから上限額を計算
 窓口負担については、負担金の増加額の上限を3,000円までに留める配慮措置が、2025年9月まで設けられている。そのため、医療機関では診療毎に1月当たりの合計点数等を計算した上で当日の負担金を受領する必要がある。レセコンメーカー側でも対応する予定となっているが、①1月の合計点数が3,000点を超える場合は上限額が「3,000円+(1カ月の合計点数)×1円」、②1月の合計点数が1万5,000点を超える場合は上限額が高額療養費制度の上限である1万8,000円となり、上限額を超えないように負担金を受領する。特に、上限額に達した場合は、1円単位での受領に変わるので注意が必要である。
 紙レセプト請求をしている医療機関の場合は、院内掲示などを行った上で、配慮措置をせずに高額療養費制度の上限額である1万8,000円まで2割負担で請求することが可能とされている。

 この場合は、診療報酬請求書およびレセプトの上部余白に「2割」と朱書きすることで、配慮措置をせずに受領していた分の差額が、患者自身が事前に登録した口座へ概ね4カ月後に払い戻される。しかし、患者にとっては一時的に負担が増えることになるため、配慮措置をしない判断は紙レセプト請求の医療機関にとって難しい。
 なお、複数の医療機関を受診している場合は、合算した1月当たりの負担増の上限を3,000円とする配慮措置もあるが、こちらは超えた分が自動的に後日患者の口座へ払い戻される。なお、口座が登録されていない患者には、9月中旬に申請書が郵送されている。

▼処方箋の記載も変更
 10月以降に処方箋を発行する場合には、処方箋の備考欄に、1割負担の患者は「高一」ではなく「高9」と記載し、2割負担の患者は「高8」、3割負担の患者は「高7」と記載する。

集団的個別指導が2年ぶりに実施

 集団的個別指導が、2年ぶりに講習会形式で開催された。今年度は、807件の医療機関を対象に9月7日と8日の2日間に分けて実施。実際に指導通知が送られたのは、レセプト1枚あたりの平均点数が1509点以上の医療機関となっている。集団的個別指導を受けた医療機関は、その後23年度の平均点数を確認され、なおも高点数である場合には24年度に実施される個別指導の選定の対象になる。

高点数による個別指導はほとんどない

 しかし、高点数による個別指導は情報提供や再指導による個別指導よりも優先度が低く、東京都においては高点数による個別指導はほとんど実施されていない(表参照)。また、個別指導になったとしても、適切な保険請求とカルテ記載をしていれば指導は終了する。委縮診療をする必要はなく、行った治療は適切に請求してもらいたい。
協会では保険医として知っておくべき基本的なルールを学ぶ新規開業医講習会を開催している。

「オン資」加算点数の変更点

 問診票の整理やHP等への掲載が必須に

「電子的保健医療情報活用加算」が廃止され、10月から「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」が新設される。
 初診時に、マイナンバーカードで診療情報等を取得した場合は7点から2点に引き下げられ、被保険者証で資格確認を行った場合は3点から4点に引き上げられた。再診時は、加算がなくなった。
 施設基準が変更されたため、今まで加算を算定していた医療機関は、院内掲示の変更だけでなくホームページなどへの掲示も必要となる。自院にホームページがないなどの場合は医療機能情報提供制度等への掲載を行うことになるが、東京都においては東京都医療機関案内サービス「ひまわり」がそれに該当する。掲載方法など不明な場合は、東京都保健医療情報センター(電話03―5272―1801)へ問い合わせてほしい。
初診時の問診票の標準的項目も定められている。医療機関は自院の問診票を確認し、同様の内容が問診票に含まれているように整理する必要がある。

ランニングコストに
見合わない

 今回の変更で一番大きいポイントは、再診時に加算がなくなった点である。特に、かかりつけの患者を継続的に診ている医療機関ほど算定ができず、ランニングコストの回収が困難になる。10月の見直しは、政策誘導の視点が強く、診療を適切に評価する視点は薄い。根本的な見直しが必要である。

10月からの75歳以上(後期高齢者)の窓口負担2割化/窓口対応の注意点

 75歳以上で一定の所得がある患者の負担割合が、2022年10月より1割から2割に引き上げられる。レセプト記載や負担金の受領方法も一部変更になるため、注意点を解説する。

 

1.水色の被保険者証を確認

 10月からの負担割合変更に伴い、すべての75歳以上の後期高齢者に対して、9月に新しい被保険者証(東京都の場合は水色)が発行されている。10月以降に診療をする際には、窓口で水色の被保険者証の確認をする必要がある。
 また、レセプトの特記事項欄の記載も一部変更されるため、10月診療分以降の請求の際には、注意が必要である(変更箇所は下表を参照)。

 

2.3千点超えから上限額を計算

 上限額を計算 窓口負担については、負担金の増加額の上限を3,000円までに留める配慮措置が、2025年9月まで設けられている。そのため、医療機関では診療毎に1月当たりの合計点数等を計算した上で当日の負担金を受領する必要がある。
 レセコンメーカー側でも対応する予定となっているが、①1月の合計点数が3,000点を超える場合は上限額が「3,000円+(1カ月の合計点数) × 1円」、②1月の合計点数が1万5,000点を超える場合は上限額が高額療養費制度の上限である1万8,000円となり、上限額を超えないように負担金を受領する。
 特に、上限額に達した場合は、1円単位での受領に変わるので注意が必要である(下表を参照)。

 また、複数の医療機関を受診している場合は、合算した1月当たりの負担増の上限を3,000円とする配慮措置もあるが、こちらは超えた分が自動的に後日患者の口座へ払い戻される仕組みになっている。口座が登録されていない患者には、9月中旬に申請書が郵送されている。

 

3.手書きレセプトの医療機関の場合

 紙レセプト請求をしている医療機関の場合は、院内掲示などを行った上で、配慮措置をせずに高額療養費制度の上限額である1万8,000円まで2割負担で請求することが可能とされている(院内掲示のポスターは下記を参照)。
 この場合は、診療報酬請求書およびレセプトの上部余白に「2割」と朱書きすることで、配慮措置をせずに受領していた分の差額が、患者自身が事前に登録した口座へ概ね4カ月後に払い戻される。しかし、患者にとっては一時的に負担が増えることになるため、配慮措置をしない判断は紙レセプト請求の医療機関にとって悩ましい。

当院・施設窓口における窓口負担割合引き上げに伴う配慮措置について

当院・施設窓口における窓口負担割合引き上げに伴う配慮措置について

4.処方箋の備考欄の記載が変更

 10月以降に処方箋を発行する場合には、処方箋の備考欄に、1割負担の患者は「高一」ではなく「高9」と記載し、2割負担の患者は「高8」、3割負担の患者は「高7」と記載する。

10月から75歳以上の負担割合2割化 物価高騰の中で強行

当協会も反対してきた75歳以上で一定の所得がある患者の負担割合が、10月より1割から2割に引き上げられる。配慮措置はあるものの、複雑な制度による窓口での混乱、受診抑制、そのことが原因での重症化が懸念される。

 

被保険者証は9月に発送

 
10月からの負担割合変更に伴い、今年は通常の7月に続いて9月にもすべての75歳以上の後期高齢者に対して新しい被保険者証が発行される(表1)。10月以降に診療をする際には、窓口で水色(東京都の場合)の被保険者証の提示を求めて確認する必要がある。

 

負担増加額が3,000円以下になるよう領収


窓口負担の増加額の上限を3,000円とする配慮措置が、2025年9月まで設けられている。この配慮措置は、同一医療機関での受診の場合は払い戻しではなく現物給付となっているため、医療機関で診療毎に計算し、1カ月当たりの負担増加額が3,000円を超えないように負担金を領収することになる。
今のところレセコンメーカー側で対応する予定となっているが、仕組みとして、負担増加額が3,000円以上になった場合は2割負担から1割負担+3,000円に変更となり、患者への説明など窓口業務が煩雑になることが懸念される(表2)。
複数の医療機関を受診している場合は、合算した1カ月当たりの負担増の上限を3,000円とする配慮措置もあるが、超えた分は最短で4カ月後に患者自身が事前登録した口座へ払い戻される。口座が登録されていない患者には、9月中旬に申請書が郵送される。後期高齢者である患者には、その手続きの負担も増えることになる。

 

「10月までに治療を終えてほしい」相談増加も?


例えば、後期高齢者である患者Aさんは、「値上がり前に治療できないでしょうか」と主治医に相談をしたとする。10月から負担割合が1割から2割になる可能性があり、家族と相談し、値上がり前に治療を終えたいと考えたようである。このような相談が医療機関で頻発することが危惧される。しかし、歯科治療は症状によって一定の期間が必要になることもあり、すべての治療を9月でまに終わらせることは難しいケースも少なくない。
岸田文雄首相は、物価・賃金・生活総合対策本部を立ち上げ、物価高騰に関する追加対策策定を指示する方針を示した。ただし、追加策はエネルギーと食料品に集中して講じるとしており、医療については触れていない。
10月から負担割合が2割になる対象は約370万人であり、75歳以上の患者の2割にも相当する。引き上げを中止する、あるいは窓口負担金について対策を講じるべきである。