日の出町長インタビュー 後期高齢者の窓口負担無料化 |
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東京都・日の出町から全国へ発信 青木國太郎町長にインタビュー |
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東京都西多摩郡にある日の出町。人口1万5千人余りのこの町が、全国に先駆けて来年度から後期高齢者の医療機関窓口負担を無料化する方針を打ち出した。「お年寄りにやさしい町づくりの一環」で、町民からは「あの後期高齢者医療制度の中味は、どう説明してもらってもわからない。でも、病院窓口で払うお金がゼロになることはすぐにわかった」(77歳女性)、「誇りに思います。ぜひ条例化して実施してほしい」(64歳男性)ど、大きな支持を得ている。そこで協会広報部では、10月14日、日の出町の青木國太郎町長にインタビューを行い、窓口負担無料化の発案経緯、今後の日程などについて伺った。聞き手は広報部の藤野健正部長。
保険財政を入念にチェックして無料化決断
―後期高齢者の医療費窓口負担をなくそうという動きが、日の出町から提起されたと聞き、非常に驚きました。すごい英断だと思います。まず敬意を表します。明日、10月15日には前期・後期高齢者の方々が年金から保険料天引きが行われるというタイミングですが、後期高齢者の医療費窓口負担無料化の経過を。
青木國太郎町長 後期高齢者医療制度に関しては、国レベルで議論を重ねて4月1日からスタートしています。この制度は、国も各都道府県も精一杯努力したものと考えています。もちろん、年金からいきなり引き落とすなど、問題点はあると思います。ただし、国や都道府県が行うことにはおのずと限度があると思います。そこから後は、地方が何とかやるべきだと思います。保険料は義務的経費であり、これを無料にすると若い人たちに大きな負担がかかります。これは、根本的に好ましくないと思います。後期高齢者は1,862名。医療費(治療費)負担額はトータル8,481万円強で1億円はかかりません。75歳以上の1人当たり医療費は平均615,242円かかっています。そのうちの純粋に本人負担は平均45,353円です。これを肩代わりすれば、75歳以上の高齢者は1円も医療費を払わないで済みます。75歳以上を1,870名分で計算すると、8,481万円。「そんなに高くはない」と感じました。町全体の総医療費は11億5,050万3,423円ですから、8,481万円はその13分の1〜14分の1。町はその規模の予算で後期高齢者の医療費を肩代わりできます。そこで「保険料よりも医療費の窓口負担全額無料化をやろう」と決断しました。ただ、無料化は三本柱の中の一本です。
人間ドック受診料も無料!
―「三本柱」とは何のことでしょうか。
青木町長 「75歳以上の方が負担する医療費を無料に」「75歳になる方が受ける人間ドック受診料を無料に」「健康教室を開催し、お年寄り向けスポーツを支援するなど、健康管理・健康増進を図る」の3本で、来年四月から実施しようというものです。実は今日、大事な会議が3つあり、今までそこに出席していました。「日の出町福祉村構想推進百人会議」「日の出町長寿化対策協議会」「日の出町民生児童委員協議会」の3つです。そこでこの3施策を説明し、さらに「日の出町高齢者の医療費の助成に関する条例(案)」と「日の出町お年寄りにやさしい福祉基本条例(案)」の2条例案を諮問しました。11月早々に答申、おおむね妥当であれば12月の第4回定例議会に提出、承認されれば平成21年4月から施行します。
少子化対策も充実
百人会議は平成三年に発足し、すでに老人ホームと老人保健施設を10カ所整備。長寿対策協議会は、少子化対策委員会のメンバーだった方に委員を依頼。少子化対策当時は、15歳までの子どもを持つ家庭に町内専用クーポン券を毎月1万円分配布、15歳までの医療費全額無料化、新築町営住宅の8割に当たる家を若い世代に賃貸―等の事業を実現しています。
人間ドック受診費用は体調にもよりますが、1人当たり平均5万円かかります。しかし、実際の費用を面倒みようという考えです。ショッピングモールのオープンに伴う税収増を主な財源に考えております。
―人間ドックはどこで受診してもいいのですか。
青木町長 とにかく、ご本人の意思を尊重します。それを前提に、21年度予算を考えています。
―町の皆さんの反応はいかがですか。先ほど庁舎前で「町長さんにはがんばってほしい」「あの後期高齢者医療制度の中味は、どんなに説明してもらっても分からない。でも、病院窓口で払うお金がゼロになることはすぐにわかった」などの声や声援を聞きましたが。
後は地方がカバーするものと考える
青木町長 なるほど。後期高齢者医療制度がわからないのは、難しい議論を国家的にやったためだと思います。ただ、とにかくこの制度は国が打ち出したもので、挫折させたくありません。後は地方がカバーするものと考えています。これが私の根本的な考えです。
百歳になるとお祝い百万円
―少子化対策でもいろいろ実施され、15歳までの医療費無料化も実施済み。すごいことだと思いますが、それら事業の所得制限はどうなっていますか。
青木町長 所得制限はありません。所得制限を付けるとかえって不具合を生じるためなくしました。これは、地域に貢献してくれる人たちへの感謝ですから。
―そのほか、高齢者向けにどのような事業や政策を行っているのでしょうか。
青木町長 70歳以上の方には、毎年「敬老金」1万円と、「生涯青春生き生き奨励金」1万円を支給。100歳になられた方には「百歳万歳生涯青春生涯現役敬老金」100万円を支給しています。これはご本人だけでなくご家族への感謝の気持ちも込められています。
―子どもから高齢者へ一貫した流れが続きますね。
青木町長 そういうことになります。
―政官界ではさまざまな動きがありますが、最近お考えのことを何か紹介していただけることがあれば。
青木町長 くれぐれも申し上げておきますが、私はあくまでも自民党員です。その視点からですが、地方自治体での昭和の大合併、平成の大合併では、大きな市と小さな町村が合併し、小さな町村がみじめになりました。合併後に過疎化が進み、森林は荒れ放題。行政の手も届かない。もうこれ以上、平成の大合併は進めるべきではないと考えています。やはり日本古来の良さ、人情豊かな町や村を残さないといけない。日の出町も、昭和30年に合併。半世紀以上たってやっと町民はうちとけた状態です。そのこともあり、安易な合併はすべきでないと考えます。日の出町は単独で町づくり、人づくりを進めています。「3万人の自立都市・単独日の出市の大理想郷」構想も打ち出しています。
―しかし、これだけ世間にインパクトを与えると、中央から何かいってきませんか。心配ですが…。
青木町長 特にお話しはありません。
―本日はお忙しいなか、ありがとうございました。12月議会ではがんばって下さい。来年4月からの条例施行に期待しています。 |
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